看護師が転職をするときに重要になってくるポイントは「転職時期」の選択です。
転職活動をおこなう時期を間違ってしまうと、現在の職場とトラブルを起こしてしまったり求人数が少なかったりと、なかなかスムーズに進まなくなる可能性があります。
看護師が転職をおこなうベストな時期はいつなのでしょうか？
今回は看護師が転職する際に知っておくべき転職時期のポイントを解説していきます。
目次
看護師の転職がするべき時期はいつ？
看護師の転職時期はケースによって全く変わってきます。
転職活動をおこなう際に特に重要になってくるのが「転職をするタイミング」です。
では、どのような時期に転職活動をおこなうのがベストなのでしょうか？
ここでは状況別にみた転職するべき時期を解説していきます。
現在の職場に不満が出てきた時期
同じ職場で長く働き続けることにこだわる方も多いですが、職場内の人間関係や労働時間に不満があり、給料も低い場合などは、今すぐやめて転職した方が今後のキャリアアップにつながる可能性が大きいです。
職場によってはパワハラやセクハラが横行している場合もあるでしょう。そのような場合も無理して同じ職場で働くのは避けて、転職に踏み切るべきといえるでしょう。
自分が我慢すれば済む問題だからという理由で続けるのはあまりおすすめできません。現在の職場に不満がある場合は、耐えられなくなる前に転職活動を始めるべきです。
ライフスタイルが変わる時期
結婚・出産・介護など、ライフスタイルが変わるタイミングで転職を考える方は多いです。
ライフスタイルが変わること勤務時間などにも大きく影響するので、仕事先にも転職の申請がしやすく、比較的受け入れられやすいタイミングといえます。
また、子育てなどを機に仕事から離れても、看護師は人手が足りない業界なので正規雇用の看護師として復帰できる可能性も十分にあります。
生活が変わるタイミングでは今後の自分の人生についてじっくり考える必要があります。転職を一つの選択肢として考えてみてもいいでしょう。
キャリアアップを考え始めた時期
看護師としてキャリアアップを考えたときには「実績」が重要になってきます。
現在の職場である程度の実績を作ってから転職を始めると良いでしょう。
実績を積んだ看護師が転職をおこなうことでキャリアアップに繋げることが可能になるのです。
認定看護師や専門看護師を目指し、その分野に精通している病院に転職しようと考える人も多いです。ただ、現在の職場で全く実績がない場合には転職先で希望の診療所に配属してもらうことが難しくなりますので注意が必要です。
したがってキャリアアップのために転職を考える場合は、現在の職場である程度の実績を残せた段階で転職活動を開始するのがベストといえます。
転職活動をおこなう時間が十分に取れる時期
人手不足の状態にある看護師の仕事は、比較的転職するのが簡単といわれることが多いです。
しかし、自分の希望通りの職場に転職したいと考える場合、転職先を探すだけでも予想以上に時間がかかってしまうケースが多いです。
さらに、希望の転職先が見つかってもそこから面接対策や履歴書の準備などをする必要があり、かなりの労力と時間が必要になってきます。
どこでもいいから転職しようと思えば早く転職活動を終わらせることも可能ですが、やはり希望の条件が増えれば増えるだけ転職活動にかかる時間が増す可能性も大きいです。
したがって、転職活動に割ける時間を十分に確保できる時期が看護師の転職時期としてはおすすめです。
転職活動に時間をかけることで満足のいく転職にすることができ、再度転職活動をやり直すということも回避できます。
時間的な余裕をもって転職活動をおこないましょう。
新しい分野に挑戦したいと考え始めた時期
看護師として新しい分野に挑戦したい考えた時は、情報収集を徹底的におこなうことが重要になります。
看護師の求人サイトを眺めていると今まで自分が経験してこなかった分野の求人が見つかる場合があります。
そこから自分の興味を広げ、新しい分野に関する情報をさらに集めていきましょう。
情報収集を一通り終え、視野が今までより広がったタイミングで転職活動を始めると満足のいく転職にすることができるでしょう。
住居地が変わる時期
引っ越しなどで住居地が変わるシーンは意外と多いです。
職場から自宅が離れてしまい、通勤時間が必要以上に長くなってしまった場合には転職を検討するべきタイミングといえるでしょう。
新しい住居地からぎりぎり通えるといった場合には転職しようか迷ってしまうかもしれません。そんな時は一度、「転職エージェント」などに相談してみることをおすすめします。
転職エージェントではキャリア相談などをおこなっていることが多いので、不安なことはなんでも聞くことができます。
看護師の求人数が多い時期はいつ？
看護師の求人数が多くなる時期は主に2つあります。
| • 3月～4月 • 9月～10月 |
それぞれの時期で求人数が多くなるのはどのような理由があるのでしょうか？
3月～4月に求人数が増える理由
3月、4月は最も人の動きが激しい時期です。
新人看護師の数も学校の卒業などとともに多くなるので、それと同時に転職して同じ研修を受けたいと考える現役看護師も多いため、求人数が増えます。
医療機関側からしてもこの時期は人事採用などにある程度お金をかけることが許される時期なので、転職で入ってくる看護師を比較的受け入れやすいタイミングとも言えます。
そのためこの時期は看護師の求人数が多くなっています。
9月～10月に求人数が増える理由
医療機関の運営など企業経営の視点で考えた時、9月～10月は1年の前期・後期の入れ替わり時期のため、求人数が増えます。
病院などの医療機関でも後期の経営に備えた人員強化施策がおこなわれることが多いため、看護師の求人数が多くなる時期といえます。
看護師の転職は何年目がベスト？
看護師の転職についてはキャリアアップと実績のバランスがひとによって変わるため人によって転職の次期は違います。
看護師の転職を考えるときに悩ましいポイントの一つとして「働き始めて何年目で転職するべきなのか？」という点が挙げられるかと思います。
経験や勤続年数なども転職に大きく影響してくるのは事実です。
看護師業界においても「どんな経験をしていたのか」ということは、転職の際に重要視されることが多いです。
ここでは勤続年数別に看護師の転職事情を確認していきましょう。
1年目の転職事情
看護師として働き始めて1年目に転職を考え始めた場合、まだ十分なキャリアを積むことができていないことがほとんどです。
そのため中途採用枠で転職活動をおこなってしまうとなかなか上手くいかないケースが多いです。
1年目でどうしても転職したいと考えた時は中途採用枠で応募するのではなく、「第二新卒」として応募するようにしましょう。
第二新卒の採用をおこなっている病院では経験の有無よりもポテンシャルを重視している傾向にあります。そのため1年目で転職する場合においても比較的上手くいきやすいです。
ただ、転職をすると全く新しい職場環境で一から新人看護師と共に再スタートすることになるので、第二新卒の転職は慎重に考えるべきです。
今の職場環境に本当に耐えられないという場合を除いて、周りの人や転職エージェントなどに一度相談してみてから決めることをおすすめします。
2年目以降の転職事情
看護師として働き始めて2年以上経つと、次第に今後のキャリアビジョンを意識して転職を考え始める方が多くなります。
2年目以降の看護師の場合には第二新卒として転職するのは少々難しくなります。
とはいえ、中途採用で転職するとしてもまだまだ経験が浅いといえるのでキャリアアップには繋がりにくいのも事実です。
このような背景から2年目～4年目の看護師の転職は1年目の新人看護師よりも難しくなるというケースが考えられます。
ただ、看護師業界は常に人手不足の状態ですので転職先が見つからないということはないでしょう。
急激なキャリアアップには繋がりにくいかもしれませんが、転職活動の時期を間違えずに良いタイミングでおこなうことができれば、ある程度自分の希望に合った職場に転職することは十分に可能です。
自分の将来のキャリアについて、しっかりと考えて転職するかどうか決めるようにしましょう。
5年目以降の転職事情
看護師として5年以上働いている方の中は、経験もかなり積んでおり後輩を指導する役割を担っている方も多いかと思います。
そのような看護師が転職をする際、上手くいけば転職先で今以上の待遇を得ることができる可能性も十分にあります。
自分のキャリアを考えた時に、現在の慣れた職場で働き続けることがベストな選択なのかどうか、考え始める方が多いのもこの5年目以降の看護師でしょう。
転職に対してネガティブなイメージを持っている看護師の方は多いです。ただ、「新しいことにもっと挑戦して自分を高めていきたい」と考える場合には転職も一つの選択肢としてみるべきです。
少しでも成長意欲のある看護師は、転職が有利な5年目の時期に自分のキャリアについてもう一度考え直してみるといいでしょう。
10年目以降の転職事情
看護師としては10年以上働いた方はかなりの経験を積んでベテランの域に入っている時期といえます。
ただ、30代以降で転職を考えた際「この年でも本当に転職は成功するのか」と不安に思ってしまう方も多いですよね。
ですが看護師は専門職ですので、年齢は関係なくむしろどのような経験を積んできたのかを重視されます。そのため何歳であっても転職を成功させることは可能です。
30代・40代・50代看護師の方は豊富な経験を積んでいることが多いので、転職活動の際には即戦力として積極的に採用している病院が多いです。
ベテラン看護師は全体のマネジメント役としても期待されていることが多く、転職先では現在の職場より好待遇で働ける場合もあります。
上手く管理職ポジションにつくことができれば飛躍的なキャリアアップにも繋がります。
ただ、自分のスキルや経験が看護師業界でどれくらい価値のあるものなのか分からないという方もいるかもしれません。そのような場合には一度転職エージェントなどで相談してみるといいでしょう。
転職前にボーナスは受け取るには？
現在の職場を辞める前に、もらえるボーナスをしっかりと受け取ってから転職したいと考えた場合にはどうすれば良いのでしょうか？
受け取れるボーナスを無駄にしないためには、6月や12月いっぱいで退職し翌月から新規の職場で働き始めることができるように調整できるといいでしょう。
しかし、この時期は一般的に転職する方のねらい目といわれている時期なので他の看護師との競争が激しくなる可能性が高いです。
転職活動は予定通りに進むとは限らないので早めから準備を開始することが大切です。しっかりと転職先を吟味して焦ることなく転職活動を進めていきましょう。
看護師が転職を避けるべき時期とは？
転職で有利になる時期がある一方で、看護師が転職する際に避けるべき時期も存在しています。
ただ、転職活動を長期的な視点で考えている方にとっては「自分の希望する求人が見つかった時」が転職をするべきタイミングです。
そのような場合には以下で解説している時期に惑わされることなく、転職活動を進めていくことをおすすめします。
新人の看護師が入ってくる4月・5月
4月・5月は看護学校を卒業した多くの新人看護師が働き始める時期です。
この時期にはまだ業務に慣れていない看護師が多数おり、研修などで病院内が忙しくなる時期でもあります。
大きい病院になればなるほど新人看護師の受け入れも多いため、中途採用者を受け入れる環境が作りにくくなっています。
そのため、4月・5月は新人看護師の研修で手いっぱいになり、中途の看護師を雇う余裕がなく求人が減る傾向にありますので注意が必要です。
休暇取得率が高い8月・12月
お盆の時期や年末年始は休暇を取得する看護師が多く、院内でも人手不足になりやすい時期です。
そのため休暇取得率の高い8月・12月は院内全体が忙しくなる傾向にあるため、中途採用をしている暇がないという状態になりやすいです。
選考自体も休暇を挟むことでスムーズに進まないことも多く、転職が長引いてしまうケースも考えられます。
休みの期間に転職活動をおこなうことは極力避け、スムーズに転職活動を進められるように準備するといいでしょう。
看護師の転職活動にかける最適な期間は？
転職活動を成功させるには「自分に合った適度な期間」でおこなうことが大切です。
転職活動を急ぎすぎて短期でおこなってしまうと転職後にミスマッチを起こすことに繋がりますし、かといって長すぎる転職活動というのも精神的に疲れてしまうでしょう。
ここからは看護師の転職活動おいて最適な期間を解説していきます。
転職にかけるべき期間
まずは看護師の転職活動の流れを確認しましょう。
一般的には、
| • 情報収集 • 書類応募 • 面接 • 内定 |
という4つのステップがあります。
一般企業における転職の場合には、情報収集から内定までの期間は約4か月程度といわれています。
一方で看護師の転職の場合には、面接回数が少なく選考結果の通知も早いなどの理由から、一般企業のケースに比べて短期間で内定を決めることが可能です。
これらを考慮すると情報収集から内定までに費やすべき期間はおよそ1か月ということができます。
さらに急ぐ場合には、転職エージェントなどの力を借りることにより数週間で内定を手に入れることも可能です。
ただ、看護師として勤務しながら転職するとなると準備の時間があまりとれず、情報収集などがおろそかになってしまう可能性があるので注意が必要です。
また転職には前職を退職する準備期間も必要になってきます。そのため、退職する時期の調節や、転職先との交渉、仕事の引継ぎなどの期間を考慮すると、最低でも転職を完了させたい時期の2か月前から準備を開始することをおすすめします。
もっと余裕をもって情報収集などに力をいれたいと考える方は転職を完了させたい時期の3か月前には動き始めると良いでしょう。
転職に費やせる期間や必用な時間というのは人それぞれですので、自分に合った転職期間を選択するようにしましょう。
看護師におすすめ転職エージェント・転職サイト
転職活動に関しては自分一人で悩んでいても解決しないことが多いです。少しでも転職に関して疑問思うことがあれば、転職のプロである転職エージェントに一度相談してみることをおすすめします。
最近では無料で相談できる看護師向けの転職エージェントが増えてきています。ここからはおすすめの転職エージェントを紹介していきます。
ナース人材バンク
「ナース人材バンク」は株式会社エス・エム・エスキャリアが運営している転職エージェントです。
医療事業に会社単位で従事しているので、看護師特化型の転職エージェントとしては大手に引けを取らないサービス内容となっています。
年間で10万人以上が利用しているサービスでもあるので非常に信頼のできる転職エージェントといえます。
看護のお仕事
「看護のお仕事」は非公開求人も多く取り扱っている転職エージェントです。
優良求人を紹介してもらえたという声も多く、看護師で転職を考えているなら必ず登録しておきたい転職エージェントです。
また、転職活動をするのが初めての方へのサポートが手厚いのも特徴のひとつです。質の高い転職エージェントが徹底サポートしてくれる環境が整っているので積極的に利用してみることをおすすめします。
ナースフル
「ナースフル」はリクルートグループが運営する転職エージェントになります。
リクルートグループはかなりの大手で幅広い求人情報を扱っています。安心のできるサービスなので登録しておいて損はないです。
ナースフルでサポート可能な年代の幅も20代から50代までと広く、どんな方でも利用することできます。
マイナビ看護師
「マイナビ看護師」はマイナビが運営する利用者満足度の高い転職エージェントサービスです。
転職者の希望をしっかりとヒアリングして、一人ひとりに合った転職先を提案してくれます。そのため転職後の定着率が高くなっています。
また、扱っている求人数も業界トップレベルかつアドバイザーの質も高いことで定評があるので、ぜひ一度相談してみることをおすすめします。
終わりに
看護師の転職においては「いつ転職をするのか」ということが非常に重要になってきます。
ベストな転職の時期は人によってそれぞれですが、自分の将来のキャリアをしっかりと考え、余裕を持って転職活動を進めていくようにしましょう。
また、転職活動は綿密な計画を立てたとしても予定通りに進むとは限りません。そういった時は転職期間にこだわりすぎる必要はないので、自分のペースで焦らずに進んでいきましょう。
看護師向けの転職エージェントを利用し、アドバイザーとともに転職スケジュールを考えていくことも非常に有効です。複数の転職エージェントに登録することも可能ですので、自分に合った転職の進め方を見つけてみてください。