「現在フリーターしていますが、いつかは正社員として働こう」と思ってはいるけど、実際にはなかなか就職活動が思い通りにいかないことってありますよね。
年収等の観点で見ると正社員とフリーターとの間では長期的に見ると大差がついてしまいます。
フリーターは実情を探ると将来的に困難なことが待ち受けていますが、今回はフリーターが正社員へ転職する時に注意すべきポイントを解説していきます。
フリーターと正社員の違いとは?
フリーターから正社員を目指すのであれば、まずは両者の違いを深く知っていくことから始めましょう。
両者には収入面や雇用の安定性などの観点から大きな違いがあるため、詳しく見ていきましょう。
収入面の違い
正社員の場合は月給制、フリーターの場合は時給制の給与体系であることが一般的です。
また、昇級の面では、正社員の場合は実績や勤続年数によって給与が上がっていく一般的ですが、それに対してフリーターは昇給があったとしても大幅に給与額が上がるわけではなく、わずかに上がる程度なため、生涯賃金に大きな差が生じてしまいます。
さらに、月々の給与以外の面で言うと、正社員にはフリーターと違ってボーナスや退職金があります。
一般的に、フリーターの生涯年収が9500万円前後といわれていますが、正社員の場合はその倍以上の1.8億円以上とされています。
単純にお金目的でも、フリーターが正社員に転職するべきといってもよいでしょう。
雇用の安定性の違い
正社員は大抵の場合終身雇用で働くことになるため、よほどの事情がない限りは仕事がゆくゆくなくなるかもしれないと心配する必要は少ないでしょう。
仮に会社の経営不振によって正社員解雇が起きたとしても、解雇予定手当や失業手当がもらえたりするため、失業状態に陥っても、金銭的な心配が少ないでしょう。
フリーターの場合は非正規雇用となるため、契約期間を終了してしまえば、あとは仕事がない状態に陥ってしまう可能性が高くなります。
さらに、会社の経営状態が傾くと、正社員よりもまずパート・アルバイト、派遣社員・契約社員が優先的に解雇されてしまいます。
雇用の安定性でいえば、やはり正社員の方が安定することになります。
信用性の違い
正社員であれば定職についていることから収入が安定しているというイメージを持たれると思いますが、フリーターの場合は「定職についていない上に収入面が不安定」と言うイメージを持たれてしまいます。
それゆえに、フリーターは住宅ローンやカードローン審査が通りにくいことが非常に多くあります。
また、収入面から判断すると、正社員と比較しても結婚するのも難しくなるでしょう。
あなたに恋人がいたとしても、将来的にパートナーとするのは難しいと判断されたり、あるいは相手の親御さんから結婚を反対されたりする可能性も十分にあります。
さらに、子供ができたときの経済的負担の可能性もしっかりと考えなければなりません。
ライフスタイルやキャリアプランの違い
上述のように、フリーターと正社員では収入面で大きな差があるため、将来的なライフスタイルやキャリアプランにも違いが生じてくることでしょう。
フリーターは正社員と比べて住宅の購入や結婚に対してハードルが高くなり、娯楽などの生活の余裕に制限が生じます。
また、貯蓄のなさによって働けなくなったときのことや老後のことでの不安が大きくなり、どうしても将来に対してマイナスイメージが生まれてしまいます。
フリーターが正社員を目指す時に出会う壁
転職活動において、フリーターは「キャリアが職歴として認められない」という意見が多いです。
転職しようとしてもフリーターの期間中は何もしていなかったのと同然の扱いをされたり、責任能力等に問題があるとの評価を受けたり、「遊んでいる」と見下されることもあります。
フリーターから正社員を目指すには大きな壁にぶつかることかと思われますが、まずは直面した壁について掘り下げて、どう対策して行くかを知るところから始めていきましょう。
正社員を目指すフリーターは、次のような点で苦労することが多く見られます。まずは現実的な面からもっと実情を探っていきましょう。
年齢制限で求人応募が不可能
求人によっては年齢制限を設けているものも存在します。
特に30歳以下という年齢制限を設ける求人が多め、就活を検討するのであれば20代の若いうちに始めるのが得策でしょう。
また、年齢が若いぶん20代に対しては「仕事の覚えが早い」、「柔軟な考えを持っている」などとよい評価をされるということもあり、年齢の要素だけで大変有利なポジションに立てます。
フリーターから正社員に転職をする際には「若さ」が武器となるため、行動が早ければ早いほど有利になりますね。
面接でうまくアピールができない
面接でうまくアピールすることができないのもフリーターから正社員へ転職する際の障壁ですね。
具体的な原因としては、自身の年齢、アピールポイントの少なさ、職業経験の無さ、資格の無さなどがあがります。
さらに面接慣れをしていないこともフリーターにとっての大きな課題となり、面接に対して強い苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。
さらに、面接に対しての苦手意識に加えて理由の無い空白期間の存在も大きいですね。
こうした様々なことから、採用面接で「現在の年齢までどうしてフリーターを続けていたのですか?」と言う問いかけに対して説得力のある答えを導き出せないという問題もあげられます。
あらかじめアピールポイントをまとめて、どんな時でも回答できるようにしましょう。
フリーターから正社員を目指すときの面接対策
上述の通り、面接において正社員よりもフリーターが不利なことは間違いありません。
ですが、以下のポイントを抑えてしっかりとした準備をすれば失敗を避けることができます。
ここでは重要事項に焦点を当てて面接対策のアドバイスをします。
私服はNG!場合によっては即不採用の服装に注意
フリーターの面接となると、正社員以外の雇用形態すなわちアルバイト・パート、派遣社員といった勤務形態をとっていた方が多くなります。
そのため、職場の規定で私服での勤務を許可する習慣によって、私服で面接に臨む人が見られることがありますが、これはNGです。
特に、アパレル職や保育士を経験していた方には多い傾向があるため注意が必要です。
面接に臨む際の服装はズバリスーツ&ネクタイで行きましょう。
面接は第1印象が決まるタイミングになりますので、初対面の時から好印象でいくのがベストです。
また、服装だけでなく頭髪や革靴といった細かな面にも気を配りましょう。
前髪が長すぎることで暗い印象を与えてしまったり、ボロボロの靴を履いて清潔感のない印象を与えてしまったりと、スタートダッシュからマイナスポイントとなってしまいます。
面接官に聞かれる可能性のある質問事項をおさえておく
フリーターが面接官に聞かれる質問の中には、だいたいの場合共通の質問が存在します。
ここでは、その例を一部紹介します。
説明を参考にして、自分だったらどんな答え方ができるか考えてみましょう。
それでは、面接官に聞かれがちな質問を見ていきましょう。
フリーターを続ける理由
これは必ずといっていいほど聞かれる質問です。
もしも明確な理由があってフリーターを続けていたのであれば、経緯が正当なもので就職活動するに至ったという前提のもとで、その理由を詳細に話すことで面接官が納得してくれます。
例えば、「なんとなく就職活動を始めようと思ったから」といった言葉を発してしまうのは避けるべきです。
新卒という大きなチャンスを逃した以上、働き始めてからもゆるーく仕事に励むのではないかと思われてしまう可能性があるからです。
なんとなくという理由でフリーターになってしまったことは事実になりますから、そうした行いを反省する前提だということを述べてから、「この企業で前向きに働いていきたい」という熱意・執念を全力で伝えるべきです。
フリーターとしての職歴
これもよく聞かれがちな質問です。
面接官は「この人は仕事をする素養が備わっているのか」や「アルバイト・パートの経験が就職後に活きるのか」といったことを知りたいからフリーター期間中に関する質問を投げかけるのです。
例えアルバイト・パートをしていたとしても、「仕事先でメンバーを統括する役目を果たした」ということが言えれば、就職してから後々にはリーダー的な役目を果たしてくれるだろうという期待を抱いてくれるケースもあります。
自身が面接官の立場となって質問内容の意図を汲み取り、よい評価をされる可能性のある内容を踏まえた上で、具体的なエピソードを織り交ぜるとよい回答となるでしょう。
就活をしなかった理由
なぜこの質問をよく聞かれるかというと、かつて就職するという意思を持ったことがあるかを確認するためです。
フリーターをしてきて、何を契機として就職しようという決断に至ったのかを企業側は見ます。
自分の明確な意見をしっかりと伝えることで、フリーター特有のネガティヴな印象を軽減することができます。
実際には、新卒の時には目標が見つからなかったので就職活動に励むことができなかったが、フリーターを1度経験して目標を再考した時に、御社の仕事に興味を持ったので応募をしたという趣旨を伝えると良いでしょう。
コミュニケーション能力を養っておく
面接というのは人間同士のやりとりから成り立つわけですから、当然ながらコミュニケーション能力が必要不可欠です。
面接はコミュニケーション能力を試す場所なのだという認識でいるのがよいでしょう。
コミュニケーション能力というのは一口に正解を述べるのが難しいほど奥が深いことでもありますが、1つだけ知って欲しいことはコミュニケーション=意思の疎通であるということです。
つまり相手が聞きたいことを理解して、相手に伝わるよう話をするということです。
シンプルなことではありますが、これができない人が実は多いのです。
基本的に、自身のストーリーを上手に織り交ぜて回答できる人が、コミュニケーション能力のある人だと判断されるわけです。
そういう人に1歩でも近づくためには、話し方の上手な人の真似をしたり、コミュニケーション能力関連の書籍を読みあさったりして方法論を学ぶことから始めてもよいかもしれません。
転職サイトをフル活用しよう!
何も自分の力だけでフリーターから正社員に転職する必要はありません。
困った時にはキャリアアドバイザーの力、転職サイトの力を借りながら正社員転職を成功に導くことが強くおすすめです。
転職サイトとは?そのデメリットとメリットも紹介
転職サイトとは、ネット上で転職の募集求人案件をまとめたものであり、業種別、地域別など、様々な条件に照らし合わせてお仕事を探すことができます。
具体的なものをいえば、リクナビNEXTや、マイナビ転職、DODAなどがあげられます。
転職サイトを使うことのメリット
- 自身の条件別の検索で誰でも応募が可能
- 現在人材を募集している案件が見つかる
- 画像などを通じて会社の雰囲気が掴める
誰でもカンタンに転職案件を見つけられるのが転職サイトの大きな強みです。
さらに求人数は基本的に豊富なため、幅広い条件のもとで求人を探すことができます。
会社から駅が近い、託児所が付いている、寮が付いているなどと、多種多様な求人を備えています。
転職サイトを使うことのデメリット
- ネット情報に頼るため、リアルな情報は不明瞭
- 採用ハードルが低いので、競争率は必然的に高くなる
- ブラック求人に当たる可能性もある
メリット面で、カンタンに転職案件を見つけられると述べましたが、それは誰にでも言えることでもあるため、一概にもカンタンとは言いにくいです。
採用ハードルが低いが故の弊害となってしまうのです。
また、転職サイトのビジネスモデルからするとどうしてもブラック企業の求人掲載は仕方のないことです。
そのため、様々な会社の条件・待遇などを比較してブラック企業に引っかからないようにしなければなりません。
まとめ
最後までこの記事を読んでくれた方には、フリーターから正社員に転職することの難しさ、現実面、対策に付いておわかりいただけたでしょう。
人材不足は今日の企業の経営上の問題の一つとしてあげられますが、そこでは企業側と求職者の間でのミスマッチが大きな要因です。
あなたを必要としている企業は必ず存在し、あなたが魅力的だと感じる企業も必ず存在します。
まずは目先のことよりも将来的なことを考えて、最終的には「転職してよかったな」と思えるよう願ってやみません。