フリーターが正社員に転職するには?成功させるためのポイントがここ!

「将来のためにフリーターから脱却したい!」、「正社員としてより明るい未来を手に入れたい!」そう考えているフリーターの方もいらっしゃいるのではないでしょうか。

しかし、いざ転職しようとしても、フリーターは正社員としての社会経験がない分、正社員への転職は決して簡単なことではありません

それでは、「正社員として働きたいものの、どうすればよいのかわからない」というフリーターの方に向けて、正社員への転職を成功させる方法を紹介していきます。

フリーターの転職事情

フリーターから正社員に転職したいが、「未経験者のフリーターが正社員になるのは難しいのでは?」、「採用してくれる会社ははたしてあるのだろうか?」など不安に感じている方はたくさんいるでしょう。

しかし近年、日本の会社は慢性的な人手不足に陥っており、転職は「売り手市場」と呼ばれるようになってきました。

そのため、フリーターや第二新卒の採用に力を入れている企業も増えているのは現状です。

少子化が進み、さらに景気もだんだんと回復してきたため、人材不足問題が深刻化している状況で、主力であった新卒一括採用だけではなく、まだ若くて将来性のある20代のフリーターや、学校は卒業したがすぐには就職しなかった第二新卒者を積極的に正社員として雇用しようとしています。

つまり、景気が良くなってきている今こそ、フリーターが正社員に転職するチャンスなのです。

決意と自信を持って、しっかり準備をすれば、正社員として働くことは決して難しいことではありません。

フリーターから正社員に転職するメリット

フリーターから正社員になるかどうかを迷っている方もいらっしゃいると思いますので、最初にフリーターから正社員へ転職するメリットを紹介していきます。

以下三点のメリットが考えられます。

  • 年収が増える
  • 安定した社会的地位が得られる
  • ライフスタイルが規律的になる

年収が増える

国税庁の「平成28年民間給与実態統計調査結果」では、正規社員の平均年収が487万円であるのに対して、非正規社員は172万円に留まっているという結果が出ました。

正社員の場合、年月やキャリアを重ねていくことによって給料が上がっていきますし、さらに目に見えない福利厚生制度が整えているケースがほとんどです。

その反面、フリーターは基本的に時給制で、勤務地の最低賃金さえ超えれば法律上に問題がなくて、時給の改定額は毎年の最低賃金の改定と同じ幅の可能性が非常に高いです。

さらに、賞与や退職金も基本的に望めず、住宅手当、通勤手当などの福利厚生も皆無の状態といってもよいぐらい少ないため、様々な面では正社員と比べると劣勢に立っています。

将来の結婚や出産などの人生の出来事に備えるためには、若いうちに正社員への転職が強くおすすめします。

安定した社会的地位が得られる

「働き方改革」が声高く叫ばれている現在でも、残念ながら、フリーランスや派遣社員の働き方と比べると、正社員や公務員などのいわゆる「安定した」働き方をしている人々は社会信用度的に高く評価されているのは現実です。

例えば、年収1000万円の個人投資家と比べると、年収400万円の公務員と正社員の方が、クレジットカードの審査と住宅ローンの審査に通りやすいと言われています。

フリーターについても同じく、「フリーター」という表記だけではクレジットカードの審査や各種ローンの審査に不利に働くことになるので、仮に将来的にマイホームの購入など、大金の支出を控えているなら、若いうちに正社員に転職して、社会信用度を積んだほうが有利でしょう。

ライフスタイルが規律的になる

フリーターはシフト制がほとんどで、そのシフト制の性格上、不規律なライフスタイルが強いられる場面が多々あります。

シフトは基本的にほかの従業員のスケジュールを見ながら組むものなので、必ずしも本人の希望通りに組めるわけではありません

そのため、場合によっては、深夜・早朝出勤があったり、他のスタッフが急きょ休んだら代替出勤が求められたりすることは避けられないでしょう。

若いうちにライフスタイルが不規律でもなんとなく乗り越えられるものですが、やはり年齢を重ねていくと、深夜・早朝出勤が難しくなったり、代替出勤ができなかったりするリスクも考えられます。

それに対して、正社員はほぼ毎日同じ時間に出勤・退勤するので生活サイクルは安定していますし、よほどの事情がない限りでは深夜・早朝の勤務もないはずなので、規律的な生活を送ることも可能でしょう。

正社員への転職を成功させるためには?

それでは、フリーターが正社員になるためにはどうすればよいのでしょうか。

転職する前に準備しておきたいこと、転職を成功させるために気をつけたいことなどを挙げていきます。

資格を取得する

先ほどもお話しましたが、やはりフリーターは正社員としての社会経験が不足している分、他のところでその弱みを補わなければなりません。

その際に、資格を取得するということは非常に強力な武器になってくれます。

資格を取得したということは、専門性の高いスキルを身につけたということで、その業界・業種での実務経験がなくても、すぐ即戦力として活躍できることを証明できる証で、企業側にも採用されやすくなるでしょう。

人手不足の今では、専門性の高いスキルを持つ人が安定した仕事に就けないことは非常に少ないです。

資格を持っていないと応募できない職種もたくさんあるので、しっかり勉強をして資格をとるのにかなり時間がかかってしまいますが、場合によっては一番の近道になる可能性もあります。

それでは、どの業界でも使えそうな汎用性の高い資格を紹介していきます。

自動車免許

日本はアメリカほどの車社会ではありませんが、やはり仕事をするうえには自動車免許を保有していれば便利な場面がとても多くあります。

東京や大阪など、公共交通機関が発達している地域ではマイカーがなくても不便と感じたりはしないでしょうが、人口の過疎化が進んでいる地方では、マイカーがないと生活が非常に不便になります。

そのため、もし正社員への転職をきっかけに、IターンやUターン転職を考えているフリーターの方がいれば、自動車免許の事前取得が強くおすすめします

また、特定の職種(営業職など外回りが多い職種)は、仕事の応募条件として自動車免許の保有を求めているケースもあるため、早めの取得がよいでしょう。

自動車免許は自動車学校での取得がほとんどで、合宿の場合は最短二週間(AT限定)で取得可能なので、それほど難しくはありません。

TOEIC

グローバル化が進んでいる現在、業種を問わず英語力が求められている場面も多くなってきています。

商社や貿易会社など、もともとから英語力が必要とされている業界はもちろん、実は現在、サービス業や小売業でも、英語が堪能であれば、人事査定で有利に働くことは決して少なくはありません。

そのため、年齢、性別、学歴、業界・職種などを問わず、TOEICを受験することを強くおすすめができます。

TOEICは普通の資格試験とは違って、いわゆる合格ラインは存在せず、点数のみの表示なので、「TOEIC資格を取得」という表現が実は不適切で、本当は「TOEICで○○点を取得」という表現の方が相応しいです。

もっとも、どんな点数が低くても履歴書に書けるわけではなくて、一般的に履歴書に書ける点数とされているのは「650点」以上です。

650点は、基本的なビジネス英語力が身につけている程度の点数なので、それほど難しくはありません。

この点数をとるのにかかる時間の目安としては、パートタイムで勉強しても、半年程度で十分に見込めるため、働きながら勉強をするフリーターでも無理なくとれるでしょう。

日商簿記検定

資格といえば簿記と連想する人が多いでしょう。

企業経営をする上に必要不可欠なのはお金の管理で、会社のお金の流れが理解できる、さらに財務にかかわる諸書類の作成ができる人間は、どの会社においても重宝されるはずです。

そのため、経理職の求人量は基本的に豊富で、さらに資格さえ持っていれば経理職未経験でも応募可能な求人も多数あります。

さらに、企業規模にこだわらなければ、高卒以上であれば応募可能な求人もけっこうあるので、フリーターの正社員転職に最適でしょう。

要するに、経理職の求人が常に多くて、さらに資格さえ持っていれば転職する可能性も十分にあります。

経理職でなくても、簿記の資格をもっていれば営業職や総務職でも評価されるので、フリーターに絶対おすすめできる資格は簿記です。

ちなみに、勉強難易度としては、日商簿記3級であれば、勉強時間が70時間前後が目安で、2級なら200時間前後が目安のようです。

MOS

パソコンを使わない会社はもう世の中に存在しないでしょう。

パソコンを駆使できる技術は、一人前のビジネスマンにとってはなくてはならないものであり、実際に多くの会社も入社基準として基礎的パソコン操作ができることを要求しています。

当然といえば当然ですが、ITやWeb業界の会社は非常にハイレベルのパソコン技術を求めていますが、それ以外の会社はそこまで厳しくないはずです。

フリーターが転職しやい業界としては小売業やサービス業などでは、基礎的なパソコン技術さえ身につければ問題ないケースが多いはずです。

その基礎的パソコン技術を身につけていることを証明する資格としては、MOSがあげられます。

「MOSってなに?」と疑問に感じている方もいるでしょうが、MOSとは、マイクロソフト・オフィス・スペシャリストの頭文字の省略で、なんとマイクロソフト社が公式認定している資格です。

これは、文字通りにオフィス系のソフトウェア(Word、Excel、Powerpoint)が上手く活用できることを客観的に証明してくれるものであり、転職活動の際にも十分な自己PRにもなりえます

受験難易度もそれほど高くもなく、働きながらも取得することが可能ですし、世の中の様々な資格のなかでもコスパのよい資格の部類に入ります。

正社員登用制度を活用する

「正社員登用制度」とは、アルバイトやパート・契約社員など非正規雇用として会社で働いている労働者を正規雇用へ転換していく制度のことです。

会社にとっては、中身の分からない中途を採用するより、自社で長く働いてくれる契約社員の方が業務の流れにも会社の人間関係にも馴染んでいるので、ミスマッチのリスクが小さいでうし、非正規雇用の労働者にとっても、仕事の安定性が保障されるうえに、長期的なキャリアの形成もできるため、お互いにメリットの大きな制度です。

今勤めている会社に正社員登録制度があれば、ぜひ活用してください。

また、正社員に登用するかどうかは、会社ごとに基準があり、昇格試験や面接の他にも、日頃の勤務姿勢なども審査に入るので、アルバイトだとしても真面目に取り組みましょう。

無期雇用転換制度

2013年の労働契約法改正に伴って、無期雇用転換制度が導入されました。

それは、同じ職場で通算5年(契約であれ、派遣であれ、アルバイトであれ)を超えて働いている有期雇用労働者が申し立てれば、期間の定めがない無期の契約にできる「無期転換ルール」を定めました

当該労働者が会社に申請さえすれば、会社はその申請を拒否する権利はなくて、無期雇用契約はその申請の時点をもって成立します。

もし通算5年以上同じ職場で働き続けてきたなら、無期雇用転換制度の対象者になる可能性は十分にあるため、ぜひご自身の状況を確かめてみてください。

履歴書や職務経歴書をきちんと書く

ほとんどの企業は最初に書類選考から採用をはじめるでしょう。

「できるだけ面接で人を判断したいので、履歴書と職務履歴書に非常に適当なことを書いてもとりあえず通過させてあげる」と考えている会社はまれにありますが、ほとんどの会社は書類選考の段階でフィルターをかけています。

そこで企業が重視しているのは、これまでのキャリアと志望理由です。

フリーターの場合は、前職がコンビニのレジだったり、居酒屋のホールだったりすることもあるので、「職務履歴書に書けるほどのことはない」と悩んでいる方もいるでしょう。

しかし、その前職を通じて身につけたスキル・能力はあるはずです。

例えば、接客業を通じて、お客さんとのコミュニケーションが上手くとれる能力を身につけたり、クレーマー対応ができたりするなど、どんなに小さな仕事経験でもそこに将来の仕事で活用できる能力はあるはずです。

また、志望理由に関しては、どの会社でも通用できそうなものはもちろん論外で、会社ごとに独自の志望理由を練る必要があります。

書くポイントとしては、その会社の経営戦略に共感があったり、会社に将来性を感じたりするなど、その会社ならではのよさを見出して書く必要があるでしょう。

また、提出された書類に書かれている内容はもちろん、丁寧に書かれているか、など求められたものを正しく作成して提出できるかを見られているため、細かいところにも注意してあげましょう。

面接ではきちんと受け答えをする

書類選考に通ったら、その先にあるのは面接です。

採用されるかどうかは面接が80%を決めていると言ってもよいでしょう。

フリーターはなおさらです。

ここでは、面接で注意してほしいポイント解説していきます。

筋の通る志望理由を練る

よくある面接でのミスですが、面接で答えた志望理由と履歴書に書いてある志望理由が食い違いが発生したら即アウトになるでしょう。

もっとも、履歴書に書いてある志望理由を丸暗記してそのまま面接で答えるのはよくありませんが、あまりにも違いが大きすぎると、志望理由自体の信憑性が疑われてしまっても仕方はありません。

そのため、履歴書に書いてある志望理由をベースに、ディーテルを加えながら面接で答えるのが一番望ましいです。

また、退職理由も面接で必ず聞かれるはずですが、フリーターの場合は基本的に「キャリアアップのため」や「自分のスキルの活用できる職場で働きたいため」など、ポジティブに答える必要があります。

礼儀作法に気をつける

フリーターは就職活動での経験が少ない分、面接での礼儀作法に格別に注意しなければなりません。

面接の成敗は第一印象で決まると言われているように、面接官によい第一印象を与えるように常に心がけましょう。

まずは面接での服装ですが、「私服できてください」と指定されていない限り、黒または紺のスーツで面接に臨みましょう。

私服に指定されるとしても、あまりにも私服すぎるとアウトです。

ここでいう私服というのは、ビジネスカジュアルの服装のことであり、オフィスに行っても怪しまれないような服装のことです。

また、入退室の礼儀と面接官とのしゃべり方にも、事前に準備しておいた方がよいでしょう。

フリーターにおすすめできる職種とは?

企業が求人情報を公開する際に、必ず求人条件も公開しています。

ここで注意してほしいのは、求人条件に「未経験歓迎」と書いてある企業に積極的に応募することです。

というのは、未経験者歓迎の企業は、ちゃんと教育をしてくれる人がいて、経験がなくても仕事に真面目で熱意がある人であれば採用することが多いからです。

また、以下で詳しく説明しますが、フリーターでも雇用されやすい業種もあって、それらの職種に応募すれば採用される可能性も上がるでしょう。

営業職

営業職はよく言えば人を選ばず、能力あるものが活躍できる世界で、悪く言えばだれでもやれる仕事なので、その門戸はもちろんフリーターにも広く開かれています。

営業職で必要とされているのは、学歴や職歴より、その人のコミュニケーション能力とやる気です。

そのため、未経験者でも、熱意やコミュニケーション能力が高ければ、採用されることが多く、営業実績やノルマ達成など仕事ぶりを見せれば、若いうちのキャリアアップと出世も望めるでしょう。

ちなみに、先ほども述べましたが、営業職のような外回りの仕事が多い職種は自動車免許を求めているケースが多いため、仕事に応募する前に免許をとっておきましょう。

介護職

ニュースでもたびたび話題となっていますが、介護業界は非常に深刻な人手不足に悩んでいます。

そのため、有資格者、有経験者は非常に優遇されている一方、無資格者や未経験者でも積極的に採用しています

介護職は主な仕事内容が要介護の老人や障碍者の生活上の介護することなので、他の人とのコミュニケーション能力の高さと仕事への責任感が非常に求められています。

業務内容は非常にシンプルに見えますが、実はハードな部分もたくさんあって、お給料もそれほど芳しくないので、残念ながら介護職の離職率も高いです。

そのため、他人の命にかかわる非常に重要な仕事なので、よく考えた上で応募してください。

工場職

工場作業のロボット化が進んでいるにもかかわらず、人間の力が必要とされる場面もまだ多くあります。

産業用ロボットの操作や溶接など高い技術力が求められている職種もあれば、ラインに立ってで単純な組立作業もあります。

そのため、最初は簡単な組立作業から始まって、どんどん技術とスキルを身につけてから最終的に一人前の技術者やエンジニアになることも可能で、それこそが工場職の最大の魅力でしょう。

また、工場職はやはり黙って作業する場面が多いため、コミュニケーション能力に自信のない方や、コツコツと作業をすすめるのが得意な方に絶対おすすめできる仕事です。

その一方、工場職のデメリットとしては、やはり最初の組立作業は体力で勝負するため、体力に自信がなければ最初は大変かもしれません。

その他

他にも、サービス業や飲食業、建設業、物流業なども、慢性的な人手不足に悩んでいて、フリーターから正社員に転職しやすい職種といえるでしょう。

こういった職種は、先述したアルバイトなどの非正規雇用から正規雇用に昇格できるという「正社員登用制度」を行っている会社が比較的多いです。

そのため、その職種に対する適性があるかどうかは最初に分からなくても、とにかくアルバイトとして入社して体験してみることも可能で、自分の適性と将来のキャリアプランと相談しながら、転職先の職種などを決めた方がよいでしょう。

おわりに

正社員として働きたいと思っているフリーターの方が抱える「フリーターというだけで断られそう」、「どうすれば採用されるの?」などの不安や疑問を解消できたでしょうか。

フリーターであることにコンプレックスを感じる必要はまったくなくて、空前の人手不足という状況のなかで、正社員への転職を目指していれば今こそがチャンスでしょう。

あまりネガティブに考えず、勇気をもって転職に一歩を踏み込みましょう。

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