英語が出来る薬剤師にはどのようなメリットがあるの?

国際化が進んでいくと予想されている日本では、英語を話せる薬剤師の需要がどんどん高まっています。現在では、英語が話せなくても問題ないと思っている方が多くいらっしゃると思いますが、これからは英語を話せることが大きな強みになります。

ここからは薬剤師が英語を話せることで得られるメリットについて紹介していきます。

英語を話せる必要性は本当にあるのか?

今までは、薬局に来るお客さんのほとんどが日本人であったため薬剤師に英語力は求められていませんでした。しかし、これからは薬剤師が英語を話す機会が増えると予想されています。なぜなら、日本を訪れる外国人観光客が増加していくからです。

日本政府観光局の調べによると、訪日外国人の数は年々増えており、2018年には3001万人もの外国人が訪日しました。2020年には東京オリンピックがあるため今後も外国人観光客が増え続けることが期待されています。

このように、日本に来る外国人の数が増えると、薬局で買い物をする外国人も増えます。

その結果、薬局に来た外国人に「どのような薬か教える」、「服薬について教える」という機会が増えるのです。

薬剤師が英語を話さなければならない日は近いうちにやってきます。

英語が話せるとどのようなメリットがあるのか?

英語力がある薬剤師にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここからは、英語が話せることで得られるメリットについて紹介していきます。

①外国人のお客さんを接客できる

第一のメリットは英語を話すことができる薬剤師は、外国人のお客さんを接客することが出来ることです。

日本に滞在中、体調を崩してしまい薬局に来店する外国人のお客さんは、市販薬を買おうと思っても日本語が読めずどれを買ったらいいのかわかりません。このようなときに、英語を話せる薬剤師さんがいたら、薬についての情報を提供することが出来るので、外国人のお客さんは安心して薬を買っていくことが出来ます。

②英語の新薬情報がわかる

最新の新薬の情報は英語で発表されることが一般的です。
そのため英語を読めることで、これらの情報についていち早く知ることが出来ます。

医薬の世界はボーダーレス化しているため、共通語である英語で論文が書かれます。この情報はのちのち日本語でも公開されますが、これは数か月以上先のことです。

最新の医薬について研究している薬剤師にとって、英語が読めることによって得られるメリットは計り知れません。

③転職の機会が増える

英語が話せることはより待遇のいい職場への転職につながります。

これについて具体例を挙げて説明していきます。
みなさんがフランスへ旅行に行き、薬局へ来店したとします。
このとき英語を話してくれる薬剤師さんがいるA薬局と、フランス語のみを話す薬剤師さんがいるB薬局では、どちらの薬局で買い物をしますか?
一切わからないフランス語で説明を受けるよりは、英語で説明してくれるA薬局を選ぶのではないでしょうか。

これと同じことを、日本の薬局に来店する外国人のお客さんも考えます。
外国人のお客さん全員の母国語が英語というわけではありませんが、世界の共通語である英語を話せる薬剤師がいるお店は、薬についての情報を教えてもらえるので、外国人観光客から人気になり売り上げが向上します。
売り上げが向上するのだとすれば、店長にとっては「英語を話せる薬剤師」を雇いたいと思うはずです。

このように英語を話せると、「雇いたい」と思ってもらえるので多くの候補の中から、自分に合った転職先を選ぶことが出来ます。

英語が話せると給料はあがるのか?

英語が話せることで得られるメリットについておわかりいただけたと思いますが、英語を話せると給料が上がるのでしょうか。現時点では、英語のスキルを持って町の薬局・ドラッグストア・病院で仕事を行っても給料アップにつながりにくいケースがほとんどです。

これは英語のスキルを持った薬剤師がいることで売り上げが向上しているという実感がわかないことが原因であると考えられます。そこで、英語を話せる薬剤師がいると売上アップにつながる職場を選ぶことで、給料は上がります

英語力が上がる薬剤師の求人

ここでは英語を話すことができる薬剤師の求人をいくつか紹介していきます。

英語を話せるようになるためには、英語を話す機会を増やすことが大切です。
そのため、英語を話せるようになりたいという方も下記の求人を参考にしてみてください。

・空港薬局

まず、多くの外国人観光客が訪れる空港です。

そこにある薬局には、日本製の質が良い医薬品を購入する外国人のお客さんがたくさん来店します。また、空の旅に疲れて体調を崩してしまった方は、空港の中にある調剤薬局を利用します。

このように空港の中の薬局には多くの外国人観光客が訪れるため、英語が話せる薬剤師を積極的に募集しています。

・観光地付近の薬局

多くの外国人は観光地を訪れ、そこでお土産を買っていきます。
日本の質の高い薬や化粧品は外国人にお土産として大変人気です。そのため、観光地付近の薬局は英語のスキルを持った薬剤師を募集しているのです。

また、観光地付近の薬局に訪れる外国人は、具合が悪い方よりお土産を買う目的の方が多いです。そのため、英会話の勉強をするのにうってつけの職場であるといえます。

・外資系製薬会社

外資系製薬会社では海外にある本社と英語で連絡を取ります。そのため、TOEIC700点以上を採用基準とする企業も増えており、英語でメールを書くといったビジネスレベルの英語力が求められます。

海外の製薬会社は日本の製薬会社と違って、部門が細かく分かれているので、この記事では有名な部門についていくつか紹介していきます。

①研究開発職

研究開発職には研究部門開発部門の2つの部門があります。

研究部門は生物学などさまざまな分野を研究することで病気やケガの治療に効果的な成分を発見し、新薬を作り出しています。

開発部門では、研究部門が作った新薬の安全性について厳しく確認し、安全性が認められた新薬の承認申請を厚生労働省に出しています。

②MR

MR(Medical Representatives)は、日本では医療情報担当者と呼ばれており、医薬品の専門家として医療現場に薬の情報を提供する仕事を行っています

医薬品の使い方や副作用など薬に関するさまざまな情報を、医師や看護師に伝えます。このような情報を伝えるとともに、自社の薬の売り込みも行っているので、MRは製薬会社の営業職であるといえます。

③DI

DI(Drug Information)は医師・看護師・MRからの薬に関する疑問に対して、適切な情報を与えることが仕事です。

海外の症例を報告した論文を読む機会や、英語で書かれたガイドラインを読む機会もあるため、文法の知識高い語彙力が必要となってきます。

この部門への転職を考えている方は、実用英語検定TOEICなどでハイスコアを取れるようにしておきましょう。

④開発薬事

医薬品を製造し、販売するためには厚生労働省から認可を得る必要があります。
しかし、この認可は簡単に下りるわけではありません。

そのため開発薬事では、効率的に認可を得るための戦略を練っています。

・受託臨床試験機構

受託臨床試験機構は、製薬会社が新薬を開発するために行う治験業務を引き受け、代行する会社です。

製薬会社が存続するためには画期的な新薬を開発するしかありません。しかし新薬の開発は一朝一夕にできるものではありません。

新薬開発を効率的に進めるためにも製薬会社は受託臨床試験機構 (Contract Research Organization)に治験業務を委託します。

受託臨床試験機構の業務には以下のものがあります。

・試験実施計画書の(プロトコル)の作成
・モニタリング業務
・データマネジメント
・症例登録業務
・医薬品機構相談の支援

効率的な英語勉強法

薬局に勤務している薬剤師が英語を使うのは、外国人観光客に対する薬の説明と服薬指導をするときです。そのため、効率的な英語勉強法は英会話の勉強をすることです。

まず、以下のような接客で頻繁に使う例文は覚えていきましょう。

・This is the medicine for fever. (これは解熱薬です。)
・Is this your first visit to this pharmacy?(この調剤薬局は初めてですか?)
・Please put your prescription in this box.(処方箋をこの箱に入れてください)

このような例文を声に出して繰り返し読みます。
このとき、発音が悪いと理解してもらえない可能性があるので、ネイティブが読んでいる音声を聞いて真似するようにしましょう。

また、もっと本格的に英語を勉強したいという方は、英会話カフェに行くことをおすすめします。最近では英会話教室よりお手頃でたくさん話せる英会話カフェが人気です。
このようなサービスを利用して英会話力を上げてみてください。

英語力のある薬剤師はこれから優遇される!

現時点では英語ができたって、収入が変わらないし何も意味がないと思っている方もいらっしゃると思います。しかし、英語力のある薬剤師はこれから優遇されるようになります。

外国人の増加に伴い英語を話せる薬剤師の需要がどんどん高まっていくので、収入が高い職場で働けたり、転職に有利になったりすることが期待できます。

英語力はすぐに身に付くものではありません。コツコツと勉強し英語力をつけて、みなさんがよりよい職場で働けることをお祈りしています。

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